メディカルプラザが全国の全ての院長1万人に対して「オーナー経営の再発見」をメッセージとして発信した理由
3.メディカルプラザが全国の全ての院長1万人に対して「オーナー経営の再発見」をメッセージとして発信した理由
動物病院業界は、個人オーナー事業主が経営する病院が大多数です。このメッセージを発したのは、企業病院の台頭で今後の事業譲渡における院長の選択や勤務医の勤め先に大きな影響を及ぼす事態になって来たためです。
このままでは開業医を生み出して来たオーナー経営病院の良さが見失われていくとの危機感から出したメッセージです。
企業病院が台頭し続ければ、どんなことが起きてくるのでしょうか。想像してみて下さい。
これまでにインタビューした若い承継開業院長が指摘していたのは、「獣医師のサラリーマン化が進むことが最も懸念される」とのことでした。
企業病院はワークライフバランスの面からみると、働き方も休みもある職場環境の中で働くことが出来ます。国の労働法などの適用を遵守しなければならず、ハードワークを避けたい獣医師にとっては1つの選択肢になるでしょう。しかし一方で、スキルを磨くことはできません。ハードな仕事をこなしてこそ、スキルやノウハウは身に付くからです。
「事業承継で売上の億越え病院の開業医になった院長で、企業病院の出身者は1人もいません」(コンサルタント西川芳彦)と言うように、獣医師としての技を磨きたい人にとって、開業を目指している人にとっては、多くの症例をこなしていることは必須で、やはりオーナー経営の動物病院に勤めるしかありません。
米企業病院VCAや金融ファンドが買収している動物病院は、ほとんどが繁盛病院です。つまりは、勤務医を多く抱えている病院です。
これらの億越え病院が買収M&Aによって、オーナー経営病院から企業病院へとどんどん変わっています。
これは院長だけの問題ではなく、開業を目指す勤務医にとって、転職でスキルを磨きたい勤務医にとっても影響がある出来事だということを認識して頂きたいと思います。
※この企業病院については、コンサル西川がYouTubeチャンネルのサクセッションで詳しく動画解説しています。「日本の企業病院の現状」をご参照下さい。
メディカルプラザの人材紹介業 ベテリナリオは、これからの動物病院の二極化に対応できる繁盛病院を転職したい勤務医にご紹介していくとともに、女性勤務医の長期雇用についても院長への啓蒙を行い、現場を離れている女性勤務医の復帰、復職などについても積極的に取り組んでいかなければならないことと考えております。