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復職の実例&学会やセミナー参加のススメ

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女性獣医師の本音トーク その25(特別編 / 男性勤務医による女性勤務医インタビュー)

 2022年1月、メディカルプラザの人材紹介事業ベテリナリオは、現在の人材採用難をどうすれば改善の方向に向けさせられるのかを考え始めました。
 そして、その解決の大きなカギとなる存在に気付きました。
 それは、女性獣医師の存在です。
 メディカルプラザのこれまでのコンサル経験から、「女性獣医師は40歳までに80%以上の方が臨床現場をやめてしまう」ことが分かっています。
 しかしながら、なぜ臨床現場から離れてしまうのか、その理由は調べてもどこにもありませんでした。
 そこで、ベテリナリオが独自に調査することにしました。
 ここに掲載している原稿は、女性獣医師先生がご執筆頂いた原稿をできうる限り「そのまま」掲載しています。先生方にも実際にあった出来事などを事実に即して記述して頂くよう、お願いしております。「匿名」での掲載が多いのも、このためです。

【編集部:注】

※ベテリナリオでは、女性獣医師に勤務状況や給与、現役継続・復職のための条件、院長への提言などを募集していますが、現役男性勤務医よる女性勤務医へのインタビュー記事をお送り下さいました。特別編として掲載します。

 

帰りづらさ解消には、周囲の理解が必要 〜私の周りの女性獣医師~

○匿名男性勤務医

私は東日本にある動物病院の男性勤務医です。女性獣医師の働き方や職場に復帰するためのアドバイスとして、私の身近にいる女性獣医師の事例を紹介します。
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・時短勤務を利用して働いている女性獣医師のお話

○経歴

 新卒で都内の動物病院に就職。1年勤務後、現在勤めている動物病院に転職。結婚、子育てなどとの兼ね合いで、今は時短勤務を利用して働いています。動物の診察だけでなく、手術などもこなしています。

 

○勤務状況

 時短勤務の場合は、朝〜昼過ぎ、昼過ぎ〜夜までのいずれかの形態で働いています。基本的には始業時間ぴったりに業務を開始し、終業時間ぴったりに仕事を切り上げています。就業時間ぴったりには帰りづらいなどという環境ではないため、問題なく仕事をできています。

 時間内に終わらなかった入院動物の治療などは、フルタイムで勤務している獣医師に引き継いでいます。他の獣医師もそれに対して不満をもっていなく、当然のこととして認識しています。

 

○本人の所感

 現在の勤務状況に特に不満はないようです。大学卒業後すぐに勤めた動物病院と比較してもかなりホワイトであると言っています。

 

○今回の事例に対する意見

 時短勤務や産休・育休の制度があると、やはり女性獣医師は働きやすさを感じるようです。

 また、他の獣医師よりも早く帰るのに気が引けて帰りづらいという事例も聞いたことがあります。この女性獣医師は特にそのように感じてはいないため、周囲の理解やそれを当然とする下地が必要であるように感じます。そのため、将来的に出産や育児を考えている女性獣医師は、これまでにも産休・育休を取得した獣医師がいる動物病院を選択して勤務するとトラブルにならずに済むかもしれません。

 

 また、今回の事例は個人病院でのものですが、これらの制度がしっかりと整っている動物病院は、個人病院よりも企業系の病院の方が多いように感じています。個人病院の場合には院長の意識や考え方次第になってしまうため、ペットショップやペット保険会社などの企業が経営する動物病院で働いた方が無難かもしれません。

 

 

【参考資料】

週休三日制,導入,メリット,デメリット

【追記  コンサル西川からの匿名男性勤務医への質問】

コンサル西川:インタビューされた女性勤務医は2件の動物病院に勤務されておられますが、その2つの病院を比較した時に、働きやすさで見ると、1番の違いは何だったとお聞きされていますか。

 

匿名男性勤務医:1番の違いであるかどうかはわかりませんが、今の動物病院では院長らが色々と教えてくれるのですが、前の病院では「自分で見て覚えろ」というスタンスであったため大変だったとお伺いしています。

 

コンサル西川:復帰された場合、そのブランク期間に臨床知識や器械の進歩がどれだけ進んでいるのかが心配だとおっしゃる女性獣医師が多くおられます。病院側がこの心配を取り除くのは女性獣医師の復職には不可欠で、病院として「懇切丁寧に教えてくれる病院である」ことは女性獣医師には大きなアピールポイントになるということですね。

 

匿名男性勤務医:そうです。

 

・女性獣医師が職場に復帰するためにしておいた方がいいこと

 臨床現場での治療法は日々アップデートされています。そのため、数年間臨床現場から離れてしまうと、なかなか最新の獣医療についていけなくなるかもしれません。

 

 こうした知識のギャップを防ぐためには、育休・産休中にもできるだけ最新の知識を収集していた方がいいでしょう。そのための方法の1つとして、学会やセミナーへの参加が挙げられます。学会の中には教育公演が充実しているものもあるため、年に数回参加するだけでも大きく変わってくるでしょう。

 

 また、日本獣医師会が運営する「女性獣医師応援ポータル(https://nichiju-shien.com)」を使うこともおすすめです。このポータルサイトには再就職を考えている女性獣医師向けのe-Learningやセミナーの情報、人材募集情報などを掲載しています。これらを利用することでも情報を収集することができ、再び就業するハードルを下げてくれるでしょう。

 

 

 

【追記  コンサル西川からの匿名男性勤務医への質問】

コンサル西川:復帰についてお伺いすると、子育てで臨床のブランク期間があることで最新の獣医療と知識のアップデートができていないことを不安とする女性獣医師が多くおられます。この点について先生はどうお考えですか。

 

匿名男性勤務医:文中でも記述しましたが、知識ギャップを防ぐために育児中でも、オンラインでの学会参加やセミナー参加をしておくことであると思います。現役の勤務医でも、今ではオンラインで勉強するのが基本になって来ていますので、オンラインで最新知識などを得ておくと復帰しやすくなるのではないかと思います。

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 ※メディカルプラザ・ベテリナリオは、事業承継を通じて、全国10000件の動物病院院長へ直接「情報誌」を発行し続け、2000人以上の院長、獣医師と直接お会いしてきました。

 この情報発信と直接的な繋がりによって、女性獣医師の本音を病院院長に届けて、人材採用難解決の提案をして参ります。

 これにより、職場改善や経営改善に取り組む動物病院をもっともっと増やしていきたいと考えています。