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女性獣医師の本音トーク その51 Part2(②院長への提言)

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女性獣医師の本音トーク その51 Part2(②院長への提言)

 2022年1月、メディカルプラザの人材紹介事業ベテリナリオは、現在の人材採用難をどうすれば改善の方向に向けさせられるのかを考え始めました。
 そして、その解決の大きなカギとなる存在に気付きました。
 それは、女性獣医師の存在です。
 メディカルプラザのこれまでのコンサル経験から、「女性獣医師は40歳までに80%以上の方が臨床現場をやめてしまう」ことが分かっています。
 しかしながら、なぜ臨床現場から離れてしまうのか、その理由は調べてもどこにもありませんでした。
 そこで、ベテリナリオが独自に調査することにしました。
 ここに掲載している原稿は、女性獣医師先生がご執筆頂いた原稿をできうる限り「そのまま」掲載しています。先生方にも実際にあった出来事などを事実に即して記述して頂くよう、お願いしております。「匿名」での掲載が多いのも、このためです。

《シリーズ企画 臨床現場復帰までの軌跡 その7ー2》~N女性獣医師のコーチングを活かしたリアルルポ 後編~

【編集部・注】


 ケース7のJ先生のリアルルポはお送りいただいた原稿が長文であったため、その7ー1は『①働く現場の生の声』、7-2は『②院長への提言』として2本に分けて掲載します。


 前編(Part1)ではJ先生のご経験から女性獣医師が復職後にうまく働くためにはどうすればいいのか、語っていただきました。今回の後編ではN女性獣医師のコメントやコンサル西川との対談を掲載します。


■<前編>の記事はこちら

 
【ケース 7】 J女性勤務医

 私立獣医大学を2003年に卒業。新卒で3年間勤務し、その後、6件目まで結婚、子育てをしながら緩く勤務する。その中で、マッサージを専門に提供することになる。
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女性獣医師は、無理をすると続かない。一生懸命働けることを最大限受け入れてあげるのが大事

【N女性獣医師のコメント】

 

 J先生とお話ししていて、現場で母親として働くことで家庭を犠牲にしない、という「軸」を感じました。

 先生の選ぶ動物病院の院長も、子育てに理解がある方が多く、変な話ですが、新卒で入った病院の院長先生のつてから始まり、ご縁に恵まれている、守られているような気がしました。獣医になった道も「運が良い」とご自身でおっしゃっているのがあり、そういう自信のようなものが、良いご縁を引き寄せているようにも感じられます。

 また、先生の母親の一言が人生に影響を与えており、その先生が母として、子供を大切にしていることが、なんというか強く感じられて、愛だなあと思った次第です。

 

 そんなJ先生が介護やマッサージの仕事をしながらするペットの飼い主さんとの会話は、きっと母親の愛に溢れていて、みんなを包み込むんだろうな、この先生がいる場はそんな暖かい場であり、病院の中の雰囲気もそんな感じになるのだろう、と思いました。

 母親のいる病院、患者さんと楽しく家庭の井戸端会議がされる病院。動物病院がそんな暖かい場になったら、幸せの発信地になって、いいなと思いました。

 

 

 

【追記  コンサル西川からのN女性獣医師への質問】

 

コンサル西川:全業種において、30代から40代の結婚している女性で働いている割合は70〜80%と、この10年間くらいでかなり増加してきているのですが、獣医師に関して言えば、先生も「女性獣医師で、家庭に入られてそのまま社会復帰されない方が多くいらっしゃる」と文中で述べられているように、結婚した女性獣医師の働く比率は増加していないように思います。

 社会では増えているのに、なぜ獣医師では増えていないのかと不思議に思うのですが。 

 

N女性獣医師:そうですね。結婚して現場に戻ってきている女性獣医師はあまり見ないです。

 

コンサル西川:専業主婦の獣医師は多いですよね。

 

N女性獣医師:そうですね。獣医師同士で結婚した場合は、育児で現場を離れる人が多いとは聞いています。

 

コンサル西川:旦那さんが他業界の場合でも、働いていない女性獣医師が多い。

 

N女性獣医師:私の周りでも、経営者である旦那さんの仕事を手伝っている人がいます。話題も、獣医の話ではなく、会社経営の話ばかりで、もう住む世界が違ってしまったと感じたことがありました。

 また、獣医師なので、結婚する相手も普通のサラリーマンではなく、経営者クラスと結婚している人が多いのも理由として考えられるのではないかと思います。

 

コンサル西川:確かに、それもあって女性獣医師の復職が少ないのかなと思います。

 

N女性獣医師:旦那さんが高給取りならば、共稼ぎしなくてもいいと考えるからなのかもしれません。

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 ※メディカルプラザ・ベテリナリオは、事業承継を通じて、全国10000件の動物病院院長へ直接「情報誌」を発行し続け、2000人以上の院長、獣医師と直接お会いしてきました。

 この情報発信と直接的な繋がりによって、女性獣医師の本音を病院院長に届けて、人材採用難解決の提案をして参ります。

 これにより、職場改善や経営改善に取り組む動物病院をもっともっと増やしていきたいと考えています。